【ハシグチリンタロウ 生島国宜 「SPLIT NANGAA STILL VIBING」展覧会風景と最終日在廊のご案内@福岡】



福岡市南区の「Half hitch / 半不一致」にて、弊ギャラリー所属の書家・ハシグチリンタロウと画家・生島国宜による二人展「SPLIT NANGAA STILL VIBING」が開催中です。11月7日(土)より後期が始まりましたので、10月31日から11月3日までの前期会期の会場風景をご紹介いたします。
会期は11月10日(火)までです。最終日には、ハシグチリンタロウが15時ごろから在廊いたします。
ぜひ会場に足をお運びください。皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
『ナンガーランドのNow-Era Landscape Drawing』
生島は現在、宮崎県椎葉村を拠点として絵画を制作している。近年のモチーフは、住まい周辺の山中の風景や雲、木漏れ日といった自然である。それらを写真に撮り、プロジェクターで投影してアウトラインやシルエットを写しとる。色彩は中国や日本の東アジア古典絵画から引用している。
生島は西洋の現代美術を土台にしながら、日本の南画を参照する。中国の文人画が日本に渡る過程で変容して南画となったように、生島も現代美術を自らの境遇に合わせて読み替える。南画の思想には都市と田舎の対比や地方性が含まれ、自然と親しみながら暮らす日々の営みが、画者の精神の在り方とつながっていると考える。
生島は「私とは何か」という問いに、それは物語であると仮定している。固定した実体ではなく、語られることで形をなすもの。だとすれば、その私を手放すには、物語を外へ置けばよい。詩書画の融合を試みた南画は、作品の底に詩や文脈を横たえていた。現代美術はそれをコンセプトとして提示する。生島は、頭に湧き続けるアイデアを物語として書き出し、モチーフ、色、手順、大きさという制作の条件へ変換する。条件が頭の判断を退かせ、手が動きはじめる。
条件は絵を作るための装置であり、できた絵は自身をみつめるための装置になる。そこに映った自分を見て、また次の条件を立てるという制作を繰り返している。
一方のハシグチは、長崎県の最西部に位置する故郷の過疎地域に住み、昼間は農機具屋に勤務し、地域農業を裏方として支える暮らしの中で、創作活動を続けている。多くの制約を受けることを前提とした活動である。
ハシグチの芸術観は、外的な制約を受け入れ、それでもなおパワフルに自らの人生を歩んでいくために必要なものとして書を位置付けている。
正規な文法を無視した英単語のドッキングによるスローガンのようなフレーズを「瞬間詩」と呼び、タオルに墨を含ませて大判紙に体ごとダイブする。
書表現をとことん簡素かつ先鋭化させることにより、生活者としての煩雑な日々の中にいかにして書を組み込み、芸術表現の核心を捉えられるかという試みである。
また、近年は「文字を書くクレイジーな連中の喧騒譚」である「謎の本」を不定期に発表。
その物語は、ジャンク漫画としてバラバラの断片として表現され、ハッキングされたネットショッピングの箱に入って届けられるという奇天烈な設定によって披露される。
かつてナムジュン・パイクはテクノロジーの発展と人間との共生をビデオアートを通して楽天的に表現したが、「謎の本」は開いた箱の中に一枚のシーンが表示されており、それがいくつも並べられることによって、どことなく「TVガーデン」に通じる特異な雰囲気を醸す。しかしそれは、牧歌的な近未来を描いていた時期が遠に過ぎ去った、ディストピアに向かう現代を踏まえて現れたものであり、それでもなお、ささやかな希望を感じさせるのである。
今回の生島・ハシグチによる展覧会は「SPLIT NANGAA STILL VIBING」と仮題されている。邦訳「分裂したナンガーランドは未だ生きている(しかもいい気分だ)」は現代南画を標榜する謎のユニット「ナンガーランド」を経て、それぞれの地で生きている両者は、互いに書から画へ、画から書へと多大なインスパイアを受け取り、独自の創作を進展させて来た。
今回はその2人が再会し、近作を持ち寄るとともに、その呼応によって現代山水図、現代書画をキーワードに究極のナンガーアナザーワールドを出現させる試みである。
ハシグチリンタロウ

SPLIT NANGAA STILL VIBING
作家:生島国宜、ハシグチリンタロウ
会期:2026年11月7日(土)-11月10日(火)
時間:13:00-19:00
作家最終日在廊
会場:Half hitch / 半不一致
福岡県福岡市南区市崎1丁目1 金子ビル201号



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