vol.98
Contemporary Jewelry / 松永智美 Tomomi Matsunaga
結 musubu
2017.1.14-1.29
初春。
京都に生れ、京都に育った松永智美さん。彼女の母親は、タルト・タタンで有名な洋菓子店[La Voiture ] 創始者でもあり画廊主人。松永さんの周りには幼い頃から感性を育む土壌がありました。
そんな松永さんが、素材からカタチを結ぶジュエリー&造形作家として、アヴァンギャルドな視点で生み出す作品たち。自由で独創的な[ 留紐 tomehimo ]シリーズからはじまる軽やかな造形たちが、美と体、そして空にただよう良縁を結んでいくような… 。そんな願いが込められた美しい会場構成は、現在の[La Voiture] のオーナーで、松永さんのお嬢さんの若林麻耶さんによるもの。
そして松永さんには、台湾の精進料理を起源にもつ独自の「創意素食」料理研究家としての一面もあります。会期中に別会場にて行われる新春午贄(ウー・ツァン)の会。名古屋で活動する薬膳料理家の朝岡せんさんの冬の土用に合わせた[ 五臓六腑]を結ぶ料理箱と松永氏による台湾の旧正月[ 春節]を祝う[ 年菜 ネンツァィ]の献立も取り入れた創意素食料箱の2日間の宴が繰り広げられます。美しい食卓でのおもてなしはまさに目の正月。2017年の幕開けを祝う今展の開催にご尽力いただいた方々、そして訪れた皆さまの上に、
豊かな芸術の恵が降り注ぎますように… 。
正木なお
松永智美 Tomomi Matsunaga
京都生まれ。素材を独自の切り口で再構築したアートジュエリーを創作。
台湾精進料理をアーティストの視点で進化させた「創意素食」を提案。開発,レシピ提案等を行なって
いる。2012年 京都に飾・食の工房 「貌 KATACHI」を開設。
“ 飾の造形美と食の造形味” をテーマにイベントやマスコミで活動のフィールドを拡げている。