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vol.66

太陽系時空間地図地球暦 

地球暦 星型[hoshigata]

2014.1.11-1.19 

ギャラリーフィールアートゼロでは、2012 年6月6 日、金星と地球が太陽と同じラインを結ぶ天文現象、『日面通過』の時をきっかけに、私たちの住む地球に最も近く関わりの深い美の惑星・金星と、地球の出会いの軌跡を追いかけながら、太陽系を1 兆分の1 で表現した地球暦のインスタレーションアートを展示してきました。第1回目は「実験」。2013 年3 月、金星と地球が太陽を挟んで向かい合うタイミングで第2 回目の「循環」。そして再び、金星と地球が最も近づき、結び合う第3 回目となる今回は「星型」をテーマに、太陽系の中に潜む数々の美しいかたちに導かれながら、みなさんと宇宙の大調和を感じる旅に出かけたいと思います。

正木なお

この時代を生きるすべての人たちへ

銀河の風に吹かれながら、およそ109億年の旅を続ける光の球体、太陽。

産声をあげてから46億年、らせんの軌道に刻み込まれた記憶、今、物語の真ん中に立つ、地球号。古代より、天地の動きを映し出してきた暦は、その時代の中に息づき、社会の中で呼吸してきた。計時法を生み出したイランイラクのあるメソポタミア、天のひつじを束ね星座を作った羊飼いの古代カルデア。60進法を確立したシュメール、高度な天文観測のためのジグラットを築いたバビロニア、社会の規律となり浸透していったローマ帝国、近代カレンダー地位を確立したバチカンを中心としたカトリック。

世界にはユダヤ暦、ヒンズー暦、チベット暦、イスラム暦などのさまざま信仰と暦。また、密林の中で高度に磨かれたマヤ暦や、日本をはじめとする太陰暦の国々。そして「時計」は、1秒をさらに細かく細分化し、正確さはクォーツ時計から、セシウム原子時計となり、この瞬間も電波に乗って、社会に時の鐘を鳴らしている。

いまや、正確さは自然以上に確立され、私たちは生まれながらに「時間」の中に生きている。

時間とは一体なんだろうか。

 

新しい時間の贈りもの

私たちは今、どこにいるのか。

 

地球暦は、太陽をちゅうしにして、地球の一年を見ることができる暦です。日々の動きを、太陽系から眺めてみると、惑星たちが規則正しく時を刻んでいるのがわかります。

日常で使っている時計も、円盤の上で針が数字を指し示すだけの単純なものですが、それを共通認識として使うことで、生活の中に約束事を作り出しています。日付が本質的に示しているのは太陽、月、地球の位置関係です。人の思想は違っても、天地の動きは同じであり、みなが同じ一日を生きています。私たちは限りある命を時間という法則性のようなものと一緒に暮らしていますが、まずは地球の動きに沿うことが、生きものにとって自然なあり方ではないかと思います。

地球に生きるすべてにとって平等な一年という時間。手にしたみなさまにとって価値ある一年になりますように、心からお祈り申し上げます。

杉山開知

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