vol.64
望月通陽 Michiaki Mochizuki
生まれ來るもの
2013.11.2-11.17
ひたひたと、こくこくと、刻み続ける。
自らの内側に眠るカタチは、時に素材に導かれながら、また寄り添ったり、突き放したりしながら外に現れる。
『 彫る 』ことはまさに何か見えないものを浮き彫りにする仕事なのかもしれない。
優しさ、憂い、慈悲深さや静けさ、あるいは言葉にならない熱や想い。
そして今回は、長い間、待ち望んでいた望月氏の木彫作品も登場し、静謐な空間をつくりだしている。
滑らかに削りだした様に見える線は、近づくと時に峰々の稜線の様に無骨なまでに荒々しく横たわり、人のカタチ、動物のカタチ、様々な姿を繰り返しながら生まれ来る。
この季節にふさわしい、祈りのような望月通陽氏の魂たちが優しく語りだす時間が始まります。
正木なお
立冬を前にして
望月通陽 Michiaki Mochizuki
1953年静岡市生まれ。染色、版画、ガラス絵、ペン画、ブロンズ、鋳造ガラス、木彫、陶など多彩な技法を用い、型染めにより培われた形と線でユーモアに満ちた独自の作品世界を築いている。
昨年、2008年には、小平市松明堂ギャラリーにて1年、12ヶ月、連続展、with望月通陽展。各月、違った技法での作品製作、会場設計をし、注目を集めた。装幀、装画も多数。光文社・古典新訳文庫カバー画など手掛ける。1995年講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。2001年ボローニャ国際児童図書展賞、ラガッツィ賞受賞。著作に画文集「道に降りた散歩家」「方舟に積むものは」作品集に「円周の羊」などがある。
gallery feel art zero(現Gallery NAO MASAKI)にて
<個展>2009 望月通陽の世界 -あらゆる空に-