vol.51
長谷川竹次郎 Takejiro Hasegawa 加藤尚子 Naoko Kato
うつわについて ー 長谷川竹次郎、加藤尚子の場合
2012.12.7-12.23
日常的に食べ物をもるための容器としての『うつわ』
その人物の内面や才を計り知るための器量としての『うつわ』。
このシンプルな言葉に
昔から人々は多くの意味を重ねて、身近に置き、使いこなしてきました。
それゆえこのテーマは、随分と前から気になりながらも、ずっと後回しにしてきました。
お楽しみは年末に、そろそろ挑んでもらおうか…という具合に今回をむかえます。
第一回目は、鍛金家・長谷川竹次郎と鋳造ガラス造形作家・加藤尚子、
二人のアーティストが映すそれぞれの『うつわ』。
普段からその柔らかな感性に、自由ということはこんな風に素晴らしいものなのか !
…と感動と発見を頂けるお二人です。
時代を超えて映しだされる宇宙観に、はてさて、わたしたちは一体なにを感じるのでしょう?
同じ舞台に全然違う造形が、打ち合わせもないのに、どことなく似ている造形が…
ガラスと金属の素材がユニークに居並ぶ、楽しい展示と相成りました。
折しも今年の冬至は2012年12月21日。
ごゆるりとお楽しみ下さい。
正木なお
【 加藤 尚子 / かとうなおこ】
神奈川県横浜生まれ。鋳造ガラス造形作家。
1996年、女子美術大学芸術学部工芸学科ガラスコース卒業。同学科、非常勤講師。
豊かなイマジネーションより生まれる独自の造形作品は幅広い支持を得る。
関東を中心に個展、グループ展を開催。
gallery feel art zero (現 Gallery NAO MASAKI)にて―
〈 個展 〉2006「どこかへの入り口」、 2008「時空世界」、2010「指と指のあいだでおこること」
〈 企画展 〉 2009「モビール」十人の作家による動く彫刻
【 長谷川 竹次郎 / はせがわたけじろう】
愛知県生まれ。金工作家。
尾張徳川家の御用鍔師の家系で、明治より茶道具金工家として一望齋を名乗る、
二代目長谷川一望齋春泉の次男として生まれ、
1968年、人間国宝・故関谷四郎氏に鍛金を師事。
1980年より、長谷川竹次郎として各地で展覧会を行うとともに、
1994年、三代目一望齋春洸を襲名。
モダンで洗練された茶道具が多くの茶人たちの注目を集めている。
gallery feel art zero(現 Gallery NAO MASAKI) にて―
〈 個展 〉 2006「竹次郎博物館」 2008「長谷川竹次郎の世界~愉しき造形~」 2010「竹次郎の道具図鑑」 2011「豊穣のかたち」
〈 企画展 〉 2009「エジプト帰り展」 2009「モビール」十人の作家による動く彫刻