vol.51
都筑晶絵 Akie Tsuzuki 宮下香代 Kayo Miyashita
十一紙 展
2012.11.10-11.25
十一の言葉と紙でつくられた、二人のアーティストによる詩的空間へようこそ。
宮下香代さんは、紙と針金を用いた軽やかで洗練された独自の造形作品の制作、発表を続けています。
もうお一人の都筑晶絵さんは製本家としての技術をフランス、スイスで学んだあと、多方面の人々のリクエストに応えながら、数々の美しい仕事を手掛けてきました。
お二人は同じビルにアトリエがあり、日常的にも互いの作品に触れたり、話したりという関係です。
今回の展覧会では、言葉を選び、什器のアイデアから制作まで作り手の視点が存分に反映された空間が生まれました。
モノに触れる過程の中で生まれる小さな出来事に対する新鮮な感動、彼女たちの細やかな視点によって見いだされ、拾いだされていく欠片たち。
小さくて、普段は見落としてしまいそうな事柄を丁寧に紡ぎだすためのバランス感覚の素晴らしさや手法に胸が打たれます。
二人のアーティストのメッセージにゆっくりと優しい時間を辿り、日常の中にみずみずしい宝ものの様な感性を持ち帰って頂ければ幸いです。
正木なお
宮下香代 1964年名古屋生まれ。
1985年、愛知県立芸術大学美術学部デザイン専攻卒業。
大学卒業後、メーカー、デザイン事務所などでデザイン業務に携わる。
1995年に「工房から風」(千葉)に出展、紙と針金を主に用いて
ものづくりを始める。以後、個展、クラフトフェアなどで活動中。
都筑晶絵 1979年生まれ
2001年にフランスで手製本と出会い、大学卒業後、ドイツ人ブックアーティストに師事。
2007年1月からスイスで再び製本を学び、
2008年3月から東京で製本教室を始め、作家の作品集や特装本のオーダー
を受ける傍ら、ヒロイヨミ社山元伸子さんとananas pressとして活動。
2011年より名古屋にアトリエを構え、各地でワークショップを行う。