vol.36
内田 鋼一 Kouichi Uchida
像[HITOGATA]
2011.8.6-8.21
芸術の世界には、作品を通して、私たちが何を感じるのか、作家はどう変化して、私たちはどの様に生きるのか。
常にそのやりとりの中で成立してきた世界があります。
それらは古さや新しさではなく、ただ真摯に互いが今に向きあうことで生まれてきた世界の様な気がします。
内田鋼一氏は鉄工所を営む家庭に生まれ、幼い頃から自由に工場を出入りしながら、身の回りにあった鉄くずや道具でモノを作ったりとモノづくりを肌で感じる環境の中で育ちました。
窯業高校を卒業後は持て余すエネルギーを埋める様に世界各地を放浪しながら、気付くと旅先に留まり焼き物をするようになります。海外と日本を行き来する中、四日市の製陶所などで賃引き職人としての仕事などもしています。
それらのモノづくりをを肌で感じ取り会得する経験が、今日の内田作品の自然体でおおらかなカタチとして表れ、ジャンルを超えた多くの人々の心を掴んでいます。
折しも初日は広島原爆投下より66年が経つ8月6日。そして昨今の文明過多の現状がある中での展示となります。
陶芸界の実力派でありながら、常に異端児であり続ける内田鋼一氏。個展では3年ぶり、二回目となる今展覧会では、「像 HITOGATA」と題し、人物像を中心にプリミティブな造形世界を軸に、内田氏本来の持つカタチに向き合っています。
心はどう感じ、どう応えるのか、作家や作品たちとのコミュニュケーションを愉しみながら、それを糧として私たちがこの時代に眼を開き、確と歩んでいけることを願いつつ。
正木なお
内田鋼一/Kouichi Uchida 1969 愛知県名古屋市に生まれる 1990 愛知県立瀬戸窯業高校陶芸専攻科修了 1992 三重県四日市市に移り独立 1993 個展を中心に活動 2000「うつわをみる 暮らしに息づく工芸」展 東京国立近代美術館工芸館(東京) 2003「UCHIDA KOUICHI」展 Paramita Museum(三重) 作品集「UCHIDA KOUICHI」を求龍堂より刊行 2004 静謐なかたち「内田鋼一 Uchida Kouichi」Works:2003-2004 4th MUSEUM RIVER RETREAT 雅楽倶 (富山) 2006「陶芸の現在、そして未来へCeramic Now+」 兵庫陶芸美術館(兵庫)/「SOFA」(ニューヨーク) 他、スペイン、イギリス、アメリカ、ベトナム、タイ、韓国、インド、西アフリカ、南米等で制作及び発表
Gallery NAO MASAKIにて
<個展> 2008「born;生まれくるかたち」
<企画展> 2009「エジプト帰り展」