vol.115
平石裕 Yu Hiraishi
Floatingー空間と身体による彫刻ー
2019.11.10 - 25
Floatingー空間と身体による彫刻ー
彫刻家である平石裕は「彫刻家がなぜジュエリーを作るのか」という問いにかつてこう答えた。「大きなアート作品を身体に着けられるように転換したらどう見えるのか?通常の装飾性という意味でなく、アートとしてもの言う事ができるだろうか?大きなサイズから小さなサイズの間に表現として何か見えてくるのか?身体は常に様々な場所、空間を移動する、、、そこに何か違ったものが見えてくるだろうか?問いが次々と浮かび、コンテンポラリージュエリーを制作することに自然と至りました」。
今回は、歩き・動き回る彫刻であるとする平石のジュエリー作品と、1990年代から続く、不思議なバランス感覚で浮遊し、影を落とすインスタレーション「Floating」シリーズが並ぶ。空間に、独特の重力場と軽やかさ、緊張感のバランスをあたえる装置性は見事である。そして赤や黒、青などビビットな色はモダンでありながら、自然界の色調を最も単調にデフォルメしたプリミティブさに通じる。身体、そして空間ごと、知覚・体験していただきたい。
Gallery NAO MASAKI 正木なお
平石裕 Yu Hiraishi
金属作家
アーティスト・ステートメント
私にとって金属の板と云う存在は、一見単調な様に見えますが、表と裏が同時に存在する事のできる特別な素材です。平面の板の表と裏による形の変化に“色彩と光と影”が加わる事でより複雑な表情を生みだし、面の構成により無限の表情を作り出す事の出来る有効な素材でもあります。又、金属と云う素材は「酸化」と言う宿命を負った素材であると共に「再生」されると云う神秘的な物でもあります。 ー 平石裕
1948 愛知県出身
1970 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン科 クラフト金工 卒業
1970年より国内外で個展・グループ展開催、アート展などに参加
企業施設や屋外空間へのサイトスペシフィックな作品を多数設置、NYCミュージアムアーツ&デザインを始めとする美術館へのパブリックコレクションや、コンテンポラリージュエリーについても世界的なコンクールでの受賞など評価をうける。


















