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vol.107

金工Chasing Metal/金森正起 Masaki Kanamori (1975〜)

日常と実験

2017.11.11-11.26

鉄鋼業を営む生家に生まれ育った金森正起氏は、金属作家というべきか、その姓の通り金属の森を歩き回るような仕事ぶりだと思う。ある時は古来から飾り細工に用いられる、漆をかけて焼き付けるという技法を鉄の盆や器に施した。また今や工業製品と化した琺瑯の技術を、手仕事で作りあげることで、金属でも焼き物でもない独特のゆらぎや優しさがが現れる。いずれも技術に裏付けされた端正な美しさが感じられる。

彼の作業場でみかける、なんとなしにそこにあるものたちも創意工夫と実験に満ちていて、日々。新たな実験を繰り返しているという。新しい暮らし方=生き方という時代感覚を持ちつつも、優しいだけではない、モノづくりに本来必要な独創的、挑戦的な姿勢に、金森氏本人の優しい物腰とはウラハラ、ガムシャラな性質が垣間見えて、中々気骨があるではないかと楽しみになってくる。今回、訪れる人は金森正起の「日常と実験」を覗くことになるのではないだろうか。

 

正木なお

2017年11月

 

金森正起 Masaki Kanamori

1975年 名古屋市生まれ

1999年 大学卒業 東北で生活

2000年 鍛冶屋を巡りはじめる

    いろいろな作り手を訪ねる内に鉄の仕事に出会う

2003年 松岡信夫氏(鉄の造形家)に弟子入りする

2006年 岐阜県恵那市上矢作町で生活

2007年 名古屋市で仕事場を持つ

    建築金物や生活道具などを作り始める

2014年 近くの山の廃墟を手に入れる

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