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vol.104

ルーシー・リー Lucie Rie (1902〜1995)

静かなる美 quiet beauty

2017.7.22-8.6

繊細にして優美_時を超えた、日常のための極上なフォルム

 

1 9 0 0 年代半ば、イギリス及びヨーロッパ陶芸界に清らかな一輪の花のごとく現れたルーシー・リー [ 1 9 0 2 - 1 9 9 5 ] 。今では、美術館で見ることの多くなったルーシー・リーの作品ですが、当時は日々のくらしを楽しむための器として作られてきました。

あらためて間近でみると、作品の大小にかかわらず、丁寧に向かい合い、ひとつひとつ愛情込めて作り上げるアーティストの息遣いが聞こえてくるようです。

優しい乳白や、深い黄金に丁寧に描かれた線や色彩。決して過美ではなく、シンプルだけれども独自の装飾性をもつフォルム。

それは多くを語らないけれど、その作品と人物の佇まいから薫る豊かな美意識を、今も尚、私たちに静かな感動となって伝えてくれます。

 

今展覧会では、花器や日用器などのルーシー・リー 作品 31点と、一時期、制作を共にし、互いに深く影響を与えあった今世紀を代表する偉大な芸術家であるハンス・コパー [ 1 9 2 0 - 1 9 8 1 ] の花器3点をご覧いただきます。

この場をかりまして、今展覧会開催にあたってご尽力頂きました関係者の方々にあらためて厚く御礼申し上げます。

この貴重な機会を通して、創作者たちによって生活の中に散りばめられた、静かな美のフォルムをご堪能いただければ幸いです。

正木なお

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